ちせログ

スウェーデンに留学したり、文系で修士取ったりしている人のブログ。

日本が先進国なのは、イメージの中だけの話なのかもしれない

「日本に生まれただけで、幸運だ」

 

という意見が、この世に存在すると仮定しましょう。
さて、これは正しいと言えるでしょうか?

 

 

 

 


おそらく、これに「YES」と答えることは可能なのだと思います。

だって世界の中には、言語統制されている国だってあるし、常に命の危険にさらされるような状態にある国だってあります。


そんな中、日本に住む私は今日も自分の意見を書いたブログを更新し、何か事件や事故でも起こらない限り明日も明後日もきっと元気に生きていけるだろうと思っているわけなのですから。

 

でも。私が自分の留学を通してずっと考えたのは「日本人って、本当に恵まれているのかな?」ということでした。


失われた20年しか知らない若者


以前、日本の製品ってちょっと過剰にレベル高くない?という話をしました。

 

chise77.hatenablog.com

なんで、経済は停滞しているのに、商品やサービスのレベルはこんなに高くなっちゃったんだろう?というのが、私には不思議でなりません。

 
だって私は物心ついたころにはもう、すでにバブルは崩壊していました。つまり、私は日本が右肩上がりに成長している姿を知りません。

だから、日本が衰退している、という記事なんかをを読んでも、正直ピンときません。だって、絶頂期を知らないし。さらには、日本がぐんぐん成長している姿なんて、生まれてこの方見たことありません。

 

ただ、そんな絶頂期を知らないような私すら、「ああ、確かに日本は、今まさに衰退している最中なのかもしれない…」と思わされることがあるのが今の日本です。

ふらりと立ち寄ったレストランが明らかに人手不足なのを見たり、日本の強みの1つである研究事業にかける予算がどんどん削られたり…。日本全体の力が、どんどんなくなっているように感じられます。

 
世界のイメージは…?

それでも、きっとまだ世界からは「日本は先進国」と思われているだろう、と考えている人もいるかもしれません。
私の留学先でも、友人に「日本にはトヨタもあるし、ホンダもあるよね~」と言われることもあり、彼らは確かに「日本は技術大国だ」というイメージを持っていました。

 

しかし。

 

一方で、留学先では「日本について本当に全く知らない人」に出会うことも多々あったのも事実です。


例えばある日、私と同じくスウェーデンに交換留学していたEU出身の子は、「ちせ(筆者)に会ってから日本の場所を調べてみたんだけど、日本って島国なんだね」と言われました。

その子は、日本が島国ということすら知らなかったのです。

 

日本が島国であることを知られていないなんてどうでもよいじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、当時の私には衝撃的な出来事でした。

私はそれまで、日本は経済大国であるというイメージを、漠然と持っていました。
高度経済成長期を経験していない私でも、です。

だってGDPもずっと2位だったし(随分と前に中国に抜かれて今は3位ですが)、世界的に見ても日本は経済大国なのだろうな、くらいに漠然と思っていたところがあったのでしょう。
だから、日本が島国ってことくらいは、少なくとも知られてるんじゃないかなー?と、私は思っていたわけです。
特に、大学教育を受け、留学するような学のある人たちにとってはなおさら。
(まあ、かくいう私も自分が留学するまではヨーロッパの国々の位置関係が全くわかってなかったので、人のこと全く言えないのですが)


ヨーロッパからしたら、日本は地図上でも右端に位置する*1、小さな国なのだ。

留学中には、上に挙げた例を発端として、これを実感することが何度もありました。 

イメージに引きずられているのは、日本だけではない

 

先日、テレビ東京系の番組、「ワールドビジネスサテライト」において、エストニアの技術者が日本の技術を見て、「日本は発展しているイメージだった」と発言している様子が放映されました。

 


www.tv-tokyo.co.jp

news.careerconnection.jp

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(エストニアはこんな感じののどかな国ですが、実はIT大国でもあります)


そう、日本は「発展していた」国だったのかもしれません。
そして、そのイメージは今でも、世界の一部では共有されているものなのかもしれません。

でも、たった今経済が大きく成長していない日本は、世界にとってどれほどの価値があるのか?


現在、「日本すごい」と言うことを目的としたテレビ番組がたくさんあるようです。
そして、それに対する批判はたくさんあるので、私はここでは繰り返しません。

 

しかし、私のような高度成長期を体験していない世代ですら、また、日本に何の関係もない人々ですら、日本がすごかったころのイメージを今でも持ち続けている現状があるのではないかと思っています。


そして、今みたいに「私たちの国はすごい」とうぬぼれているうちに、本当に、本格的に、世界からどんどん取り残されちゃうんじゃないか。 

そして、果たしてこんなに衰退しているかもしれない日本に生まれた「だけ」で、幸運だと言えるのか?

 

答えは人それぞれ違うでしょうが、答えそのものよりも、「何を根拠に答えを出すか」の基準を常にアップデートする必要があるのではないか、と私は思います。

 

あなたの答えはYESですか、NOですか。

その根拠は、何ですか。その根拠はしっかりと現実を見据えたものでしょうか。

 

 


今日はここまで。
では~

*1:ヨーロッパでは、ユーラシア大陸を中心とした世界地図が多いため、日本は左端に位置します。

「タトゥーの何がイケないの?」と言うことの何がイケないの?

「わたしの何がイケないの?」という番組を知っていますか?

 

これは「現代女性の悩みや病み、さらには流行までを女性目線で描く」という番組で、さまざまな「専門家」や「コメンテーター」を呼んで意見を交わすというものだったようです。(現在は番組終了)。

 

www.tbs.co.jp

 

 

私はこの番組をいつもは見ていなかったのですが、たまたま一度見た放送内容が今でも強烈に印象に残っています。それは、2016年2月15日に放映されたもので、トピックはタトゥーについてだったのです。

 

損するからやめなさい、タトゥーなんて。

この番組では、私が視聴した回のさらに数年前にも、タトゥーをトピックとした回が放送されていたようでした。その際には、タトゥーを入れている若者たちが登場し、専門家やコメンテーターは若者たちを非難し、タトゥーをやめるように説得していたようです。

 

前回の放送から数年経過し、このときタトゥーを気軽に入れていた若者たちはどうなったのか。それが、私が視聴した回のテーマでした。

 

前回の放送では、タトゥー肯定派として登場していた、モデルのみぽち(坂本美穂)さん。

 

あれから数年たち、彼女はタトゥーを消していたのです。

 

ameblo.jp

 

www.google.co.jp

 

 

なぜか。

それは、日本社会で生きていくのにタトゥーは障害になると気がついたためだと言うことでした。

 

しかし、一度刻んだタトゥーを消すのは、非常に大変です。レーザー除去するにも、大変な痛みを伴います。番組では、彼女のレーザー除去に密着し、その痛がる様子が映し出されていました。

 

周りの大人たちは、その痛がる様子、重ねて彼女がタトゥーを入れたこと自体に対し、

 

「ほら、言ったでしょ?」

「私たちの言うことに従わないからこうなるのよ」

 

と、彼女を責め立てています。

 

でも、そもそもなんでタトゥーってそんなにダメなものなんでしたっけ?

 

タトゥーを入れる、その行為自体は本来悪なのか?

 

私が留学していたスウェーデンでは、タトゥーを入れることはごくごく普通のことでした。

 

どれくらい普通なのか。

私が周りの人の様子を見た感じだと、たぶん、日本の人がピアスの穴を開けることよりも、ずっとずっと普通のことだと思います。

 

私も、友人のおなかにタトゥーがあるのを見かけたこともあったし、クラスメイトの背中いっぱいに世界地図が描いてあるのも見たことがあります。

ここでは、タトゥーを入れることを非難する人は誰もいません。

 

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 (これは、ドイツで見つけたポストカード。なかなか私にとってインパクトのあるデザインだったので思わず手にとってしまった…)

 

 

一方、日本では、まるで何か犯罪をおかしたばかりの非難っぷり。

 

確かに、日本社会ではタトゥーはあまりいい目で見られていないのが現状です。

でも、そのことを考慮に入れたとしても、この番組での批判する姿は私には気持ち悪く映りました。

 

 

ルールがあるのだから、それに従いなさい。

 

と言わんばかりのその姿に。

 

これは、タトゥーに対する批判ではなく、自分たちのルールに従わないことへの非難である

 

別に、タトゥーを入れるのは法律上ではルール違反ではありません。

 

例えば、これが人を殺めることとなると、話は変わってきます。これは法律で禁止され、それに相当する罰則もあります。

 

スウェーデンでは寛容に受け止められているタトゥーが、なぜ日本ではこれほどに非難されなくてはならないのでしょう。

これは、「そんな風にすると苦労するよ」という、ただの警告だったのでしょうか。

 

私には、そうは思えませんでした。このときの批判は、タトゥーそのものではなく、「だから言ったのに。」という、ルールに従わなかったことへの批判だと思えたのです。

 

「私たちの作ったルールに背くな」

「私たちが正しいと思うことに従え」

 

このとき出演していた「大人」の人たちは、

彼らがタトゥーを入れたままだと生きにくいため、「良かれと思って」言ったということになっているでしょう。

実際、若者たちはタトゥーを除去している訳ですから、大人たちの言うことは正しかったのかもしれません。

 

でも、「タトゥーを入れたことがある」という事実はもうどうやってもなくならないはずなのに、なぜ終わったことをそこまで非難されなくてはならないのでしょうか。

 

それは、「ルールに背いたこと」への非難に他ならないからです。

 

 

 

時や場所が変われば、ルールは変わってきます。

今非難されていることは、10年・20年後には、普通になっているかもしれません。

 

 

 

自分のせまい世界だけを全てだと思うと、それ以外の世界が全く見えない。そして、新しい発想や発見も生まれないのではないか。

 

というのを、私はこの番組で感じました。

 

そして、私は、このようにただただ自分の知っている世界だけには閉じこもらないぞ、

とこの番組を見て決意したのでした。

 

 

 

 

 

ここまでつらつらと番組への批判めいたことを書きましたが、

この番組がどう作られているのか、

私にはわかりません。

 

もしかしたら、タレントたちの発言は

意図的に切り取られ、編集されているのかも。

 

情報をうのみにせず、これからも精進していきたいと決意を新たにした次第です。

 

 

今日はここまで。

では〜。

 

役割に縛られず、自由に生きることは幸せか

スウェーデンって聞いて、

みなさんはどんなイメージが浮かびますか?

 

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静かで、落ち着いた暮らしをしている、

そんなイメージの人もいるんじゃないかと思います。

 

……なんですが、

実はスウェーデン人って離婚率がめちゃめちゃ高いんです。

ちょっと意外じゃないですか?

 

今回は、そんなスウェーデン人の結婚観を通して、

日本とスウェーデンの社会について考えてみたいと思います。

 

結婚してもしなくてもしなくても、同様の恩恵が受けられるスウェーデン

スウェーデンでは、「サムボ法」という、

事実婚を認める法律があります。

 

つまりどういうことかというと、

戸籍上結婚していてもしていなくても、

カップルとしてさまざまな制度が整っているということです。

 

だから例え、結婚していないカップルの間に

子どもが生まれたとしても、

結婚しているカップル同様に

国からの教育援助を受けることが出来ます。

 

なので、そもそも「結婚」という形に

こだわる必要がないんです。

 

ちょっとデータが古いですが、

詳しく知りたい人はこのページなどが参考になります。

www.esri.go.jp

 

スウェーデン留学時代、

私の周りにも、恋人と同棲している人がたくさんいました。

 

一度、恋人と長いこと同棲しているスウェーデン人に

「恋人との結婚は考えてないの?」と聞いたことがあるのですが、

「そうだねぇ、私が結婚するときは、

結婚式のパーティーをしたくなったときかな」

と、冗談ともつかない答えが返ってきました。

 

このように、既に同棲しているカップルにとっては、

結婚してもしなくても、生活が全く変わらないので、

結婚そのものが

あまり大きなイベントではなくなっているようでした。

 

また逆に、例え結婚したとしても

離婚のハードルも非常に低いようです。

 

私の友達のお母さん(スウェーデン人)は、

久しぶりに旧友に会った際に「まだ同じ人と結婚してるの?」

と驚かれたそうで…。

 

だから、それくらい離婚も、ここでは普通のことなんです。

 

福祉国家個人主義

スウェーデン福祉国家なので

シングルマザーやシングルファザーでも

子育てできる条件が揃っています。

 

婚外子、つまり結婚していないカップルの間に

もうけられた子供に対しても、

結婚しているカップルの子どもと

同等の支援が政府から与えられます。

 

また、(公立であれば)大学まで学費は無料だし、

子供に対する補助金も出るしで、

離婚しても金銭面では安心できます。

 

日本だと、離婚したいけど子どものために我慢…!

という話も聞きます。

シングルマザーの経済的負担は大変なものだとも聞きます。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

けれど、スウェーデンでは、

離婚しても子どもに不利に働くことがないので、

その点は安心して(?)離婚することができるというわけです。

 

このような福祉国家の制度のもと、

スウェーデンでは、自立した個々人が、

自分のことは自分でやることが求められます。

 

wvs.structure-and-representation.com

 

(↑この研究によると、スウェーデンは非常に「自己表現に価値」を置く社会だそうです。

どれほどこの研究が立証的なものかという検討はさておき、1つの指標にはなりそうです。)


福祉国家だから自立しているのか、

自立しているから福祉国家が発達したのか。

どちらなのかという議論は、

鶏が先か卵が先か…

ということになりましょう。

 

 離婚率が高くても問題はないのか?

 それでは、日本と違った価値観や社会背景がある

スウェーデンでは、

離婚率が高くても全く問題ないかというと…。

 

それはまたちょっと違う気がしています。

 

ここからは推測の域を出ませんが、

このような個人主義的社会だからこそ

自分の好きなように生きられる一方で、

自分の行動に対して

きちんと責任を持たなくてはいけません。

 

子供も大人も、自立していることが求められます。

しかし、これに対して否定的な意見もあり、
私の留学仲間は
スウェーデンでは人が自立しすぎて、
お互いに助け合いをする精神がないのではないか」
と言っていました。

 

離婚率が高いスウェーデンですから、当然再婚率も高いわけで。

連れ子がいることも多いわけです。

連れ子同士や、親子関係がうまくいかない…

という話もしばしば耳にします。

 

でも、離婚も再婚も、個人の選択です。

カップルが、「親」という自分の役割に

縛られすぎず、自分で選んだ道です。

 

 

先にも述べましたが、日本では「子どものために」といって

離婚を我慢する人も多いですよね。

 

確かにこれではちょっと息苦しい、と思いますが、

かといってスウェーデンの真似事をしたって、

いきなり幸せな社会が得られるわけではないと私は思うのです。

 

 

日本で、「スウェーデンのような福祉制度を導入しよう!」

というような議論を見るたびに、

「これ、ちゃんと日本とスウェーデンの社会背景の違いや、

メリットデメリットの両方を

検討したうえで導入しようとしてるのかな?」という気持ちに

私はなるのでした。

 

 

今日はここまで。

いつかこのブログで教育の話もしたいな。

では~

日本の商品って、ちょっと素晴らしすぎない??? チョコレートを通して考えたこと

 

冬になると、なんでチョコレートが食べたくなるのでしょう。

 

 

…ということで、今日はチョコレートという

1つの商品を通して、スウェーデンや日本について

考えたいと思います。

 

 日本の素晴らしきチョコレートたち

みなさんはどんなチョコレートが好きですか?

 

私にとっての冬のチョコと言えば、

やはり期間限定のメルティーキッスですね。

www.meiji.co.jp

また、去年発売された明治の高級感あふれる

ザ・チョコレート 

www.meiji.co.jp

DARSプレミアムの大変豪華なパッケージ

togetter.com


なんかも気になるし、

日本のチョコレートは常に話題に事欠きませんね。

 

かたやスウェーデンは……

ここで、スウェーデンの代表的なチョコレート、marabouをスーパーの売り場で見てみると…… 

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5f/Marabou_chocolate.jpg/1200px-Marabou_chocolate.jpg

 *1

 

……めっちゃたくさんありますね。

 

スウェーデンの代表的チョコレート、Marabouは

板チョコだけで25種類の味(×100gと200gの2サイズ)。

 

なーんだ、スウェーデンもチョコレート充実してんじゃーん!

と、思うかもしれませんが、

私が今回注目するのは、その売り方です。

 

そう、

「こんだけたくさん用意しといたから、好きなの買っていってねー!」

 という、この割とテキトーな姿勢についてです。

 

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(ざっと1000枚はあるだろう板チョコの山。スウェーデン留学中に近所のスーパーで見つけた特売商品だが、全て売り切れるまでに1か月以上はかかっていた。味はすべてホワイトチョコレート。写真ではわかりづらいが、黒い段ボール箱が2つ積み重なっている。)

 

私はスウェーデンで期間限定商品なんて見たことありません。

チョコレートコーナーで見かけるのも板チョコばっかり。

パッケージも、基本のデザインはどれも同じで、

味が違うことを示すためにイラストにバリエーションがあるくらいで、

あんまり凝っているとは言えません。

 

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(お隣の国、エストニアのチョコレート)

 

これと比較すると、

日本のチョコレートは常に新商品が出ては消え、

季節ごとに期間限定商品が発売され、

コンセプトが十分に練られていてパッケージも美しくって…

 

というように、

どうやったら消費者の手に取ってもらえるのか、という

工夫がちりばめられています。

 

コンビニの棚争いとかも、熾烈です。

売り上げが悪いとすぐに棚からおろされちゃう。

 

多分、スウェーデンのチョコレートなんかを

日本のコンビニに置いたら、

すぐに他の商品に駆逐されてしまうでしょう。

 

でもね……

商品のレベルが高いって、必ずしもいいことなの?

だって、ライバル会社の商品のレベルが高いと、

自分たちの商品もレベルが高くないと売れなくなってしまう。

 

こうして、どんどんレベルが高くなっていって、

「普通」の基準が高くなる。

 

すると、相当高い基準を満たさないと、

商品として成り立たなくなりますよね。

  

そしてこの商品を作り上げているのは、社員、日本で働く人々です。*2

レベルの高いものを作るには、時間も労力もかかります。

しかし、周りのライバル会社もレベルの高いものを作り出しているので、

負けるわけにはいきません。

 

 

すると、街には安くてレベルの高いものにあふれかえります。

私たちは、簡単にレベルの高いものを手に入れることが出来るようになります。

その商品が消費者の手に届くまでに、

どれほどの熾烈な努力がつぎ込まれているかも知らずに。

 

こうしてどんどんある商品のレベルが高くなると、

全く違う他の商品も、レベルを挙げていく必要が出てきてしまいます。

だって、もしおなかがすいてコンビニに向かったら、

数ある商品の中でも、よりレベルの高いもの、

あるいはコスパのいいものを手に取ると思いませんか?

 

こうして、日本の商品のレベルが高すぎることは、

人々を結局は苦しめていくことになると思うのです。

だって、商品を作るのは、日本の社員ですからね。

安い値段で商品が買えるということは、

自分たちも安い労働力でいい商品を作り出さなくてはなりません。

 

何に妥協し、何にこだわるか

 

最近、日本の会社で不正が横行していたことが話題になっていますが、

消費者の求めるもののレベルが高すぎていることも

原因の1つじゃないかなぁと私は思います。

周りのレベルが高すぎるから、数字を改ざんしたり不正を行うことでしか

自分たちの商品が売れないのでは、という考えにいたってしまう。

 

不正が許されないのは当然ですが、

これを防ぐためには消費者側も、

完璧な商品を求めずにある程度の妥協をしたり、あるいは適切な価格を払ったり

することが必要なのではないか。

 

例えば、できるだけ安全性の高いものを求めるんだったら、

デザインは二の次にするとか、めっちゃ値段が高いものを買うとか。

 

 

今のままだと日本の商品は、

安くてレベルが高くて、

人々を苦しめるほどに

ちょっと素晴らしすぎないですか???

 

日本の(進化しすぎた?)チョコレート市場を見ていると、

そんな気がしてきます。

 

今日はここまで

では~

 

 

chise77.hatenablog.com

 

 

chise77.hatenablog.com

 

 

*1:自分で撮った写真がなかったので、wikipediaの画像を引用しました。

https://sv.wikipedia.org/wiki/Marabou#/media/File:Marabou_chocolate.jpg

引用は以下のwikipediaのルールに準じます。

Commons:Reusing content outside Wikimedia - Wikimedia Commons

*2:もちろんグローバル化した社会なので、全て日本の社員作り上げているわけではありませんが…商品を考えて出来上がるところまで責任を持つ、という意味では、やはり商品を作っているのは日本の会社の社員です

男女平等って何?…平等にうるさいスウェーデンで感じたこと

 

 

 

スウェーデンの男女平等の意識はすごいです。

 

例えば、政治において。

 

スウェーデン国会議員を占める女性の割合はなんと42%!

 

日本からすればこの数字だけでも驚異的ですが、

スウェーデンでは

これでもまだまだ道半ばだ、

という意見もあります。

 

つまり、42%ではまだまだ男性優位であり、

できるだけ割合を50%に近づけないと

男女平等とは言えない!

という考えが存在するということ。

 

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(国会議事堂)


当時、日本では女性議員の割合が8%*1くらいでした。

 

なので私は、

日本に比べてスウェーデン

「たったの」42%で大騒ぎだね、

なーんて冗談を言ったりしたものです。

 

でも、それほどスウェーデンでは

割合が50%ではないことが問題になるほどに、

男女が「平等でなくてはいけない」という

意識が強いように思います。

 

 

日本がいかに平等ではないか

 

日本だと、男性「だけ」が子どもをベビーカーに乗せて歩いている姿って、

あんまり見ないような気がします。

女性とベビーカーはよく見るし、

夫婦2人と子ども、という組み合わせは

よく見るんですけどね。


私がこの間見たテレビでも、

「(男性)芸能人の妻の手料理拝見!」とかやってました。

なんで「妻」の料理なのでしょう?

別に、芸能人本人が料理したっていいと思うんですが…。

 

私は特にスウェーデンから帰ってきてからというもの、 

日本では家事や子育ては女性がするものだと思われているのだ、と

感じさせられることがたくさんあります。

 

 スウェーデンでの平等

 

一方スウェーデンでは、男性がベビーカーを引くのは当たり前。

女性が料理し、男性が会社に行く…という固定観念

(少なくとも日本に比べたら)ずっと薄いと私は感じました。

 

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またスウェーデン社会は

LGBT*2フレンドリーでもあり、

それは例えば言語の中にも見て取ることができます。

 

スウェーデン語では

「彼」が「Han」、「彼女」が「Hon」なのですが、

その間に「Hen」という単語があります。

 

これなら、「彼」や「彼女」という言葉では表現できない人も

安心できるかもしれません。

 

 

個人のニーズに合わせて、性別にとらわれずに

自分のやりたいように生きる。

 

そもそも個人主義的考えが根強いとされるスウェーデン社会では

このようにそれぞれの個人を尊重しようとする姿勢があるおかけで、 

私も様々な点で生きやすさを感じることができました。

 

 

でも、その行き過ぎた姿勢に、

ちょっと違和感を感じることもあったのです。

 

 

   違いがあることは悪いことか?

 

例えば、大学のトイレ。

入口で男女が分かれておらず、それぞれの個室になっています。*3

確かに、心は女性だけど体は男性(あるいは逆)という人にとって、

このような仕組みは必要なのだと思います。

 

でも、まるで男女の違いがあるのはよくないことだ、と言われていると感じたこともあったのです。

  

そりゃ、男の子がピンク好きなことだってあるし、

女の子が怪獣好きだって何の問題もありません。

 

そういう意味では、人の好みにケチをつけたり、

生得的に違いがあると考えたりするのは

間違っているのだと思います。

 

でもね……

あまりに平等を目指しすぎるがゆえに、

「男性的」「女性的」であることが

悪いことのように思えてしまうこともあったのです。

 

私は普段スカートだって穿くし、化粧もします。

男女平等が今後日本でどんどん進んだとしても、

スカートは穿き続けたいと思ってます。

 

もしスカートを穿くこと、女らしくいることが否定されたら、それは

「男女平等」ではなく、「男女同一」でしかありません。

 

私がスウェーデンにいたとき、

スカートを穿いていて実際に非難されたわけではありませんが、

勝手に後ろめたい気持ちを感じてしまうことがありました。

 

「男女平等」を目指して「男女同一」になってしまうのではなく、

男性も、女性も、自分の生きたい生き方を選べる、

その状態が男女平等なのではないでしょうか。

 

今日はここまで。

では~

 

 

 

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*1:当時の衆議院における女性割合がだいたいこれくらいだった。ここで挙げている数字はいずれも現在のものではありません。

*2:同性愛者であったり、心と体の性が一致しない人

*3:スウェーデン中のトイレがこうなっているわけではない…というか、私がこれを見たのは実は大学だけです。

大学はいろいろ実験的ということでしょうか…?

北欧って本当に幸せなの?ースウェーデンってどんな国?

北欧と言われて、どんなイメージを思い起こすでしょうか。

福祉国家マリメッコなんかのポップな北欧デザイン?

はたまた、毎年夏になるとまったく日が沈まない、白夜?

 

目を閉じると、あなたにはどんな北欧のイメージが浮かんできますか?

 

私が留学していたのは、そんな北欧諸国の1つ、スウェーデンです。

 

  1. そもそもスウェーデンってどこ?どんな国?

 

スウェーデンは、右隣にフィンランド、左隣にノルウェーが位置している北欧諸国の1つです。

また現在も王族が存在するため、正式名称は「スウェーデン王国」となります。

 

スウェーデン王国の面積は日本の約1.2倍、人口は日本の10分の1以下の、約1000万人。

日本の人口が約1億3000万人であることを考えると、随分と広い土地に日本の10分の1以下の人が住んでいることが伺えます。
(実際には、比較的住みやすい南部に人口が集中しているのですが…)


また日本の国土は4分の3が山地、と言われていますが、スウェーデンの山地は10%に届きません。一方で、川や湖はその山地と同等の面積を誇っています。実に国土の10%が水で覆われているわけですね。*1

そのため、飛行機からスウェーデンを見下ろすと、広大な平地にたくさんの湖が広がっているのを見ることが出来ます。

 

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美しい風景に、かわいい家。下手にリゾート地に行くよりも、ずっとフォトジェニックなのではないでしょうか。

 

 2.自然享受権って?

 

このように美しい景色を誇るスウェーデンは、民泊サイトのAirbnbにおいて、あるキャンペーンを行ったことで一時期話題になりました。

それは、スウェーデン国土の全てをAirbnbで登録するというもの。 

prtimes.jp

sweden.withairbnb.comスウェーデンの美しい風景を見たい方は、ぜひ2つ目のAirbnbのサイトに飛んでみて下さい)

 

このキャンペーンは、スウェーデンの自然享受権という考えに基づいて行われました。自然享受権とは、全ての人があらゆる土地に立ち入ることができ、またその恩恵を受けることができるというもの。
つまり、その辺にある野生のりんごをもぎって食べても、誰かが所有する土地に一時的にテントを張っても、罪に問われることはありません。
(土地の所有者に損害を与えることは禁止されているので、人が畑で育てている果実を食べてはだめですよ!)

 

 3.平等を重んじる、幸福な国

さらにさらに、スウェーデン、と聞いて、幸せの国、と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実際にスウェーデンは国連の世界幸福度ランキングでも上位に食い込んでおり、世界的にも幸福な国として知られています。

この幸福な国ランキングは様々な評価指標によってランク付けされているのですが、そのうち指標の1つとなっているのが「寛容性」です。

スウェーデン福祉国家と言われるだけあって、富める人もそうでない人も、男性も女性も、結婚している人もそうでない人も、皆平等な扱いを受けられる、とされています。

 

でも……それって果たして本当なの?

と思うことが私には何度もありました。

 

スウェーデンに留学したことで、私は そもそも「平等」であるってどういうこと?ということを、考え直さざるを得なくなりました。

 

また、私が現地で感じたいろいろな違和感を通して、日本の北欧に対するイメージって間違ってるんじゃないかな?とも思っています。

 

このブログでは、そんな私の留学体験記についても、みなさんとシェアできたらと思っています。

次回からは、その具体的な内容についてじっくり語らせてください。

 

今日はここまで。では~

 

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