ちせログ

スウェーデンに留学したり、文系で修士取ったりしている人のブログ。

日本の商品って、ちょっと素晴らしすぎない??? チョコレートを通して考えたこと

 

冬になると、なんでチョコレートが食べたくなるのでしょう。

 

 

…ということで、今日はチョコレートという

1つの商品を通して、スウェーデンや日本について

考えたいと思います。

 

 日本の素晴らしきチョコレートたち

みなさんはどんなチョコレートが好きですか?

 

私にとっての冬のチョコと言えば、

やはり期間限定のメルティーキッスですね。

www.meiji.co.jp

また、去年発売された明治の高級感あふれる

ザ・チョコレート 

www.meiji.co.jp

DARSプレミアムの大変豪華なパッケージ

togetter.com


なんかも気になるし、

日本のチョコレートは常に話題に事欠きませんね。

 

かたやスウェーデンは……

ここで、スウェーデンの代表的なチョコレート、marabouをスーパーの売り場で見てみると…… 

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5f/Marabou_chocolate.jpg/1200px-Marabou_chocolate.jpg

 *1

 

……めっちゃたくさんありますね。

 

スウェーデンの代表的チョコレート、Marabouは

板チョコだけで25種類の味(×100gと200gの2サイズ)。

 

なーんだ、スウェーデンもチョコレート充実してんじゃーん!

と、思うかもしれませんが、

私が今回注目するのは、その売り方です。

 

そう、

「こんだけたくさん用意しといたから、好きなの買っていってねー!」

 という、この割とテキトーな姿勢についてです。

 

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(ざっと1000枚はあるだろう板チョコの山。スウェーデン留学中に近所のスーパーで見つけた特売商品だが、全て売り切れるまでに1か月以上はかかっていた。味はすべてホワイトチョコレート。写真ではわかりづらいが、黒い段ボール箱が2つ積み重なっている。)

 

私はスウェーデンで期間限定商品なんて見たことありません。

チョコレートコーナーで見かけるのも板チョコばっかり。

パッケージも、基本のデザインはどれも同じで、

味が違うことを示すためにイラストにバリエーションがあるくらいで、

あんまり凝っているとは言えません。

 

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(お隣の国、エストニアのチョコレート)

 

これと比較すると、

日本のチョコレートは常に新商品が出ては消え、

季節ごとに期間限定商品が発売され、

コンセプトが十分に練られていてパッケージも美しくって…

 

というように、

どうやったら消費者の手に取ってもらえるのか、という

工夫がちりばめられています。

 

コンビニの棚争いとかも、熾烈です。

売り上げが悪いとすぐに棚からおろされちゃう。

 

多分、スウェーデンのチョコレートなんかを

日本のコンビニに置いたら、

すぐに他の商品に駆逐されてしまうでしょう。

 

でもね……

商品のレベルが高いって、必ずしもいいことなの?

だって、ライバル会社の商品のレベルが高いと、

自分たちの商品もレベルが高くないと売れなくなってしまう。

 

こうして、どんどんレベルが高くなっていって、

「普通」の基準が高くなる。

 

すると、相当高い基準を満たさないと、

商品として成り立たなくなりますよね。

  

そしてこの商品を作り上げているのは、社員、日本で働く人々です。*2

レベルの高いものを作るには、時間も労力もかかります。

しかし、周りのライバル会社もレベルの高いものを作り出しているので、

負けるわけにはいきません。

 

 

すると、街には安くてレベルの高いものにあふれかえります。

私たちは、簡単にレベルの高いものを手に入れることが出来るようになります。

その商品が消費者の手に届くまでに、

どれほどの熾烈な努力がつぎ込まれているかも知らずに。

 

こうしてどんどんある商品のレベルが高くなると、

全く違う他の商品も、レベルを挙げていく必要が出てきてしまいます。

だって、もしおなかがすいてコンビニに向かったら、

数ある商品の中でも、よりレベルの高いもの、

あるいはコスパのいいものを手に取ると思いませんか?

 

こうして、日本の商品のレベルが高すぎることは、

人々を結局は苦しめていくことになると思うのです。

だって、商品を作るのは、日本の社員ですからね。

安い値段で商品が買えるということは、

自分たちも安い労働力でいい商品を作り出さなくてはなりません。

 

何に妥協し、何にこだわるか

 

最近、日本の会社で不正が横行していたことが話題になっていますが、

消費者の求めるもののレベルが高すぎていることも

原因の1つじゃないかなぁと私は思います。

周りのレベルが高すぎるから、数字を改ざんしたり不正を行うことでしか

自分たちの商品が売れないのでは、という考えにいたってしまう。

 

不正が許されないのは当然ですが、

これを防ぐためには消費者側も、

完璧な商品を求めずにある程度の妥協をしたり、あるいは適切な価格を払ったり

することが必要なのではないか。

 

例えば、できるだけ安全性の高いものを求めるんだったら、

デザインは二の次にするとか、めっちゃ値段が高いものを買うとか。

 

 

今のままだと日本の商品は、

安くてレベルが高くて、

人々を苦しめるほどに

ちょっと素晴らしすぎないですか???

 

日本の(進化しすぎた?)チョコレート市場を見ていると、

そんな気がしてきます。

 

今日はここまで

では~

 

 

chise77.hatenablog.com

 

 

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*1:自分で撮った写真がなかったので、wikipediaの画像を引用しました。

https://sv.wikipedia.org/wiki/Marabou#/media/File:Marabou_chocolate.jpg

引用は以下のwikipediaのルールに準じます。

Commons:Reusing content outside Wikimedia - Wikimedia Commons

*2:もちろんグローバル化した社会なので、全て日本の社員作り上げているわけではありませんが…商品を考えて出来上がるところまで責任を持つ、という意味では、やはり商品を作っているのは日本の会社の社員です