日本の商品って、ちょっと素晴らしすぎない??? チョコレートを通して考えたこと
冬になると、なんでチョコレートが食べたくなるのでしょう。
…ということで、今日はチョコレートという
1つの商品を通して、スウェーデンや日本について
考えたいと思います。
日本の素晴らしきチョコレートたち
みなさんはどんなチョコレートが好きですか?
私にとっての冬のチョコと言えば、
やはり期間限定のメルティーキッスですね。
また、去年発売された明治の高級感あふれる
ザ・チョコレート
DARSプレミアムの大変豪華なパッケージ
なんかも気になるし、
日本のチョコレートは常に話題に事欠きませんね。
かたやスウェーデンは……
ここで、スウェーデンの代表的なチョコレート、marabouをスーパーの売り場で見てみると……
……めっちゃたくさんありますね。
スウェーデンの代表的チョコレート、Marabouは
板チョコだけで25種類の味(×100gと200gの2サイズ)。
なーんだ、スウェーデンもチョコレート充実してんじゃーん!
と、思うかもしれませんが、
私が今回注目するのは、その売り方です。
そう、
「こんだけたくさん用意しといたから、好きなの買っていってねー!」
という、この割とテキトーな姿勢についてです。
(ざっと1000枚はあるだろう板チョコの山。スウェーデン留学中に近所のスーパーで見つけた特売商品だが、全て売り切れるまでに1か月以上はかかっていた。味はすべてホワイトチョコレート。写真ではわかりづらいが、黒い段ボール箱が2つ積み重なっている。)
私はスウェーデンで期間限定商品なんて見たことありません。
チョコレートコーナーで見かけるのも板チョコばっかり。
パッケージも、基本のデザインはどれも同じで、
味が違うことを示すためにイラストにバリエーションがあるくらいで、
あんまり凝っているとは言えません。
(お隣の国、エストニアのチョコレート)
これと比較すると、
日本のチョコレートは常に新商品が出ては消え、
季節ごとに期間限定商品が発売され、
コンセプトが十分に練られていてパッケージも美しくって…
というように、
どうやったら消費者の手に取ってもらえるのか、という
工夫がちりばめられています。
コンビニの棚争いとかも、熾烈です。
売り上げが悪いとすぐに棚からおろされちゃう。
多分、スウェーデンのチョコレートなんかを
日本のコンビニに置いたら、
すぐに他の商品に駆逐されてしまうでしょう。
でもね……
商品のレベルが高いって、必ずしもいいことなの?
だって、ライバル会社の商品のレベルが高いと、
自分たちの商品もレベルが高くないと売れなくなってしまう。
こうして、どんどんレベルが高くなっていって、
「普通」の基準が高くなる。
すると、相当高い基準を満たさないと、
商品として成り立たなくなりますよね。
そしてこの商品を作り上げているのは、社員、日本で働く人々です。*2
レベルの高いものを作るには、時間も労力もかかります。
しかし、周りのライバル会社もレベルの高いものを作り出しているので、
負けるわけにはいきません。
すると、街には安くてレベルの高いものにあふれかえります。
私たちは、簡単にレベルの高いものを手に入れることが出来るようになります。
その商品が消費者の手に届くまでに、
どれほどの熾烈な努力がつぎ込まれているかも知らずに。
こうしてどんどんある商品のレベルが高くなると、
全く違う他の商品も、レベルを挙げていく必要が出てきてしまいます。
だって、もしおなかがすいてコンビニに向かったら、
数ある商品の中でも、よりレベルの高いもの、
あるいはコスパのいいものを手に取ると思いませんか?
こうして、日本の商品のレベルが高すぎることは、
人々を結局は苦しめていくことになると思うのです。
だって、商品を作るのは、日本の社員ですからね。
安い値段で商品が買えるということは、
自分たちも安い労働力でいい商品を作り出さなくてはなりません。
何に妥協し、何にこだわるか
最近、日本の会社で不正が横行していたことが話題になっていますが、
消費者の求めるもののレベルが高すぎていることも
原因の1つじゃないかなぁと私は思います。
周りのレベルが高すぎるから、数字を改ざんしたり不正を行うことでしか
自分たちの商品が売れないのでは、という考えにいたってしまう。
不正が許されないのは当然ですが、
これを防ぐためには消費者側も、
完璧な商品を求めずにある程度の妥協をしたり、あるいは適切な価格を払ったり
することが必要なのではないか。
例えば、できるだけ安全性の高いものを求めるんだったら、
デザインは二の次にするとか、めっちゃ値段が高いものを買うとか。
今のままだと日本の商品は、
安くてレベルが高くて、
人々を苦しめるほどに
ちょっと素晴らしすぎないですか???
日本の(進化しすぎた?)チョコレート市場を見ていると、
そんな気がしてきます。
今日はここまで
では~
*1:自分で撮った写真がなかったので、wikipediaの画像を引用しました。
https://sv.wikipedia.org/wiki/Marabou#/media/File:Marabou_chocolate.jpg
引用は以下のwikipediaのルールに準じます。
Commons:Reusing content outside Wikimedia - Wikimedia Commons
*2:もちろんグローバル化した社会なので、全て日本の社員作り上げているわけではありませんが…商品を考えて出来上がるところまで責任を持つ、という意味では、やはり商品を作っているのは日本の会社の社員です
男女平等って何?…平等にうるさいスウェーデンで感じたこと
スウェーデンの男女平等の意識はすごいです。
例えば、政治において。
日本からすればこの数字だけでも驚異的ですが、
スウェーデンでは
これでもまだまだ道半ばだ、
という意見もあります。
つまり、42%ではまだまだ男性優位であり、
できるだけ割合を50%に近づけないと
男女平等とは言えない!
という考えが存在するということ。
(国会議事堂)
当時、日本では女性議員の割合が8%*1くらいでした。
なので私は、
日本に比べてスウェーデンは
「たったの」42%で大騒ぎだね、
なーんて冗談を言ったりしたものです。
でも、それほどスウェーデンでは
割合が50%ではないことが問題になるほどに、
男女が「平等でなくてはいけない」という
意識が強いように思います。
日本がいかに平等ではないか
日本だと、男性「だけ」が子どもをベビーカーに乗せて歩いている姿って、
あんまり見ないような気がします。
女性とベビーカーはよく見るし、
夫婦2人と子ども、という組み合わせは
よく見るんですけどね。
私がこの間見たテレビでも、
「(男性)芸能人の妻の手料理拝見!」とかやってました。
なんで「妻」の料理なのでしょう?
別に、芸能人本人が料理したっていいと思うんですが…。
私は特にスウェーデンから帰ってきてからというもの、
日本では家事や子育ては女性がするものだと思われているのだ、と
感じさせられることがたくさんあります。
スウェーデンでの平等
一方スウェーデンでは、男性がベビーカーを引くのは当たり前。
女性が料理し、男性が会社に行く…という固定観念も
(少なくとも日本に比べたら)ずっと薄いと私は感じました。
またスウェーデン社会は
それは例えば言語の中にも見て取ることができます。
スウェーデン語では
「彼」が「Han」、「彼女」が「Hon」なのですが、
その間に「Hen」という単語があります。
これなら、「彼」や「彼女」という言葉では表現できない人も
安心できるかもしれません。
個人のニーズに合わせて、性別にとらわれずに
自分のやりたいように生きる。
このようにそれぞれの個人を尊重しようとする姿勢があるおかけで、
私も様々な点で生きやすさを感じることができました。
でも、その行き過ぎた姿勢に、
ちょっと違和感を感じることもあったのです。
違いがあることは悪いことか?
例えば、大学のトイレ。
入口で男女が分かれておらず、それぞれの個室になっています。*3
確かに、心は女性だけど体は男性(あるいは逆)という人にとって、
このような仕組みは必要なのだと思います。
でも、まるで男女の違いがあるのはよくないことだ、と言われていると感じたこともあったのです。
そりゃ、男の子がピンク好きなことだってあるし、
女の子が怪獣好きだって何の問題もありません。
そういう意味では、人の好みにケチをつけたり、
生得的に違いがあると考えたりするのは
間違っているのだと思います。
でもね……
あまりに平等を目指しすぎるがゆえに、
「男性的」「女性的」であることが
悪いことのように思えてしまうこともあったのです。
私は普段スカートだって穿くし、化粧もします。
男女平等が今後日本でどんどん進んだとしても、
スカートは穿き続けたいと思ってます。
もしスカートを穿くこと、女らしくいることが否定されたら、それは
「男女平等」ではなく、「男女同一」でしかありません。
私がスウェーデンにいたとき、
スカートを穿いていて実際に非難されたわけではありませんが、
勝手に後ろめたい気持ちを感じてしまうことがありました。
「男女平等」を目指して「男女同一」になってしまうのではなく、
男性も、女性も、自分の生きたい生き方を選べる、
その状態が男女平等なのではないでしょうか。
今日はここまで。
では~
北欧って本当に幸せなの?ースウェーデンってどんな国?
北欧と言われて、どんなイメージを思い起こすでしょうか。
はたまた、毎年夏になるとまったく日が沈まない、白夜?
目を閉じると、あなたにはどんな北欧のイメージが浮かんできますか?
私が留学していたのは、そんな北欧諸国の1つ、スウェーデンです。
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そもそもスウェーデンってどこ?どんな国?
スウェーデンは、右隣にフィンランド、左隣にノルウェーが位置している北欧諸国の1つです。
また現在も王族が存在するため、正式名称は「スウェーデン王国」となります。
スウェーデン王国の面積は日本の約1.2倍、人口は日本の10分の1以下の、約1000万人。
日本の人口が約1億3000万人であることを考えると、随分と広い土地に日本の10分の1以下の人が住んでいることが伺えます。
(実際には、比較的住みやすい南部に人口が集中しているのですが…)
また日本の国土は4分の3が山地、と言われていますが、スウェーデンの山地は10%に届きません。一方で、川や湖はその山地と同等の面積を誇っています。実に国土の10%が水で覆われているわけですね。*1
そのため、飛行機からスウェーデンを見下ろすと、広大な平地にたくさんの湖が広がっているのを見ることが出来ます。
美しい風景に、かわいい家。下手にリゾート地に行くよりも、ずっとフォトジェニックなのではないでしょうか。
2.自然享受権って?
このように美しい景色を誇るスウェーデンは、民泊サイトのAirbnbにおいて、あるキャンペーンを行ったことで一時期話題になりました。
それは、スウェーデン国土の全てをAirbnbで登録するというもの。
sweden.withairbnb.com(スウェーデンの美しい風景を見たい方は、ぜひ2つ目のAirbnbのサイトに飛んでみて下さい)
このキャンペーンは、スウェーデンの自然享受権という考えに基づいて行われました。自然享受権とは、全ての人があらゆる土地に立ち入ることができ、またその恩恵を受けることができるというもの。
つまり、その辺にある野生のりんごをもぎって食べても、誰かが所有する土地に一時的にテントを張っても、罪に問われることはありません。
(土地の所有者に損害を与えることは禁止されているので、人が畑で育てている果実を食べてはだめですよ!)
3.平等を重んじる、幸福な国
さらにさらに、スウェーデン、と聞いて、幸せの国、と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実際にスウェーデンは国連の世界幸福度ランキングでも上位に食い込んでおり、世界的にも幸福な国として知られています。
この幸福な国ランキングは様々な評価指標によってランク付けされているのですが、そのうち指標の1つとなっているのが「寛容性」です。
スウェーデンは福祉国家と言われるだけあって、富める人もそうでない人も、男性も女性も、結婚している人もそうでない人も、皆平等な扱いを受けられる、とされています。
でも……それって果たして本当なの?
と思うことが私には何度もありました。
スウェーデンに留学したことで、私は そもそも「平等」であるってどういうこと?ということを、考え直さざるを得なくなりました。
また、私が現地で感じたいろいろな違和感を通して、日本の北欧に対するイメージって間違ってるんじゃないかな?とも思っています。
このブログでは、そんな私の留学体験記についても、みなさんとシェアできたらと思っています。
次回からは、その具体的な内容についてじっくり語らせてください。
今日はここまで。では~
北欧留学経験者で文系修士として
はじめまして。
いけもと ちせと申します。
この春、文系の修士課程を修了する見込みです。
また、以前1年間スウェーデンに交換留学していました。
(留学中に撮った写真)
そんな私ですが、最近、人と話していて違和感を感じることがあっても、
「この人が言ってることなんか違う気がする…反論したい…」と思っても、
自分でも何がひっかかっているのかわからず、もちろん反論することもできず、
もやもやすることが増えました。
私がこのブログを始めようと思ったのは、
自分が言いたいことをまとめたいと思ったからです。
このブログを通して、自分が何を考えているのかを、じっくり見つめなおしたいと思っています。
その過程をみなさんとシェアできたら嬉しいです。
よろしくお願いします。